タンゴール類の育て方・栽培方法
ミカン科
タンゴール類はミカン類とオレンジ類を交雑したものです。タンゴール類にはイヨカン、キヨミ等があります。
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●果実を凍害から守る ため、早めに収穫・貯蔵する。
●関東地方南部以西。
●数多く収穫でき、比較的育てやすい。
タンゴール類の果樹としての特徴
ミカン類とオレンジ類の交雑したものがタンゴール類です。オレンジ類のさわやかな香りと、ミカン類の食べやすさの両方を備えたカンキッ類をめざして交配が進められてきました。「イヨカン」がよく知られていますが、最近では「キヨミ」が広く普及してきました。
イヨカン
山口県で発見された突然変異種です。その後愛媛県(伊予の国)で多く栽培されたため、この名で呼ばれるようになりました。ウンシュウミカンよりも樹勢がやや弱く、耐寒性も劣りますが、実をたくさんつけ、比較的育てやすいカンキツ類です。果実は250~300gほどで、果肉は濃い橙色、よい香りと甘さ、ほどよい酸味をもちます。
キヨミ
1949年に、ウンシュウミカンとアメリカ産のトロビタオレンジを交配してつくられたタンゴール類です。若木のころは立ちぎみに生長しますが、樹勢はそれほど強くなく、耐寒性は比較的あります。果実は200~300gで、果汁が豊富でよい香りをもち、果肉がやわらかいのが特徴です。
タンゴール類の栽培条件と品種選び
ウンシュウミカンよりやや温暖な気候を好み、庭植えの場合は関東地方南部以西で栽培可能です。イヨカンの品種には、「普通イヨカン」、普通イヨカンの根がわりとして発生した「宮内イヨカン」、さらにその枝がわりとして発生した「大谷イヨカン」などがあります。「宮内イヨカン」は豊産性で種子も少なく、芳香に富んでいるのが特徴です。熟す時期は、「普通イヨカン」よりもやや早めです。「大谷イヨカン」は、果皮が滑らかな赤橙色をした美しい果実をつけます。ただし、香りも味も、「宮内イヨカン」と比較すると、あまりよくありません。
タンゴール類の栽培方法
3~4月上旬が植えつけの適期です。
日当たりがよく、風通しのよい場所を選びます。土壌は水はけがよくなくてはいけません。
「開心自然形」が一般的です。
果実の為に十分な量の葉を残す
カンキツ類では、あまり強い剪定を行わず、果実の生育に十分な量の葉を残すことが大切です。冬には、どの枝に果実をならせるかを考えながら、不要な枝、混み合って日陰をつくる枝、風通しを悪くしている枝などを間引きます。また、弱くなった枝は切りつめ、よい枝を生長させるようにします。夏は混み合った部分の枝を適度に間引きます。
3月上旬、6月上旬、日月の年3回、配合肥料を施します。
鳥害や風害を避けるため1個ずつ袋をかけます。
寒さにあたり凍害が発生すると、実がスカスカになってしまうので、本格的な寒さが来る前、12月には収穫します。そのまま貯蔵すると、3月ごろ食べごろになります。冬も暖かい地域では、袋かけをしたまま冬を越し、3月まで枝にならせておくと、完熟しておいしい果実が収穫できます。キヨミは3~4月上旬に収穫します。