果樹栽培・ガーデニングの基本

オレンジ類の育て方・栽培方法

ミカン科

オレンジ類にはネーブルオレンジ、福原オレンジ、バレンシアオレンジ等があります。


オレンジ・写真1
オレンジの花・写真2
オレンジの実・写真3

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栽培上のポイント

●防寒対策と夏の遮 光がポイント。
栽培上の適地

●紀伊半島以西の太 平洋岸の雨の少ない暖地。
栽培上の難易度

●比較的むずかしい。

オレンジ類の果樹としての特徴

スイートオレンジともよばれカンキツ類のなかでは品質が高く、世界的に流通しています。枝がわりや実生変異が多く、100を超える品種があります。甘味が強く、おいしいカンキツ類として人気の果実です。「ネーブルオレンジ」「福原オレンジ」「バレンシアオレンジ」などがよく知られています。

ネーブルオレンジ

果頂部が二重果になっていて「へそ」と呼ばれています。日本へは明治時代にアメリカから持ちこまれ、その後、枝がわりによって国内で「福本」 「大三島」「丹下」「白柳」「清家」など多くの品種がつくり出されました。種子はなく、果肉がやわらかく、香りも甘味も富んでいます。

福原オレンジ

ユズの台木にジョッパオレンジを接いだものの枝がわりだとされます。果実は150gほどで、甘味と酸味が強く、果汁も豊富です。耐寒性は低くはありませんが、収穫期が3月下旬~4月上旬のため、気温が低くなる地域での栽培はむずかしいでしょう。

バレンシアオレンジ

カンキッ類としては世界で最も多く栽培される果実です。収穫が5~6月と晩熟ですが、冬の低温で落下が多く、日本の気候には適さないので、家庭での栽培はむずかしいでしょう。

オレンジ類の栽培条件と品種選び

ウンシュウミカンより耐寒性がやや弱く温暖な気候を好み、冬は暖かく、夏にウンシュウミカンより耐寒性がやや弱く温暖な気候を好み、冬は暖かく、夏に涼しく雨の少ない地域が適しています。家庭栽培では、ネーブルオレンジからつくり出された品種が、実つきがよく栽培しやすいでしょう。

オレンジ類の栽培方法

植えつけ前には十分に水を吸わせておく

3~4月、寒さが去ったころに植えつけます。植えつけ前に苗木の根鉢の3分の1ほどを崩して、長い根は切りつめて整理し、根を水に浸けて、十分水を含ませておきます。植えつけ後の剪定は、ポット苗の場合はとくに必要ありませんが、弱い枝や混み合った部分があったら整理します。

冬でも暖かい日だまりのようなところで、夏の西目と冬の寒風を防ぐような場所に植えつけます。

剪定・誘引によって、樹高のあまり高くない「主幹形」や「半円形」に仕立てます。

剪定は間引き中心に

発芽前の2~3月が前刀定の時期です。花芽は新梢の先端部につくため、切り返し剪定は行わず、間引き剪定を中心に行います。幼木期には、主要な枝以外を間引き、新梢は3分の1程度切りつめます。この時期にまだ実をつけている種類では、不要な枝を間引く程度の剪定とし、収穫を終えたあとすぐに細かい枝の剪定を行います。

3月、6月、11月上旬の計3回、配合肥料を施します。

ネーブルオレンジは自分の花粉で受粉するため、とくに人工授粉の必要はありませんが、ほかの品種の花粉を授粉すると、より実つきがよくなります。

80~100葉に1果が摘果の目安

主枝の延長枝になったもの、小さなもの、変形したものなどを中心に、80~100葉に1果程度になるように摘果します。

寒さによる落果を防ぐために、冬の寒波がくる前に、袋かけを行います。

早生のネーブルオレンジの仲間は、12月中旬~1月にかけてが収穫期となります。福原オレンジは3~5月に収穫します。

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