果樹の肥料
おいしい果実を収穫するためには、肥料も重要なポイントです。やる時期、やり方に注意して果樹の生長を補いましょう。
施肥の時期
肥料はやる時期によって、基肥、追肥、お礼肥の3つに分かれています。基肥は、植えつけ前に土に施しておくもので、枝や葉、花芽、幼栗の生長を促します。収穫時期のころに肥料が吸収されつくすのが最適な量です。落葉果樹の場合は9~11月に、常緑果樹は3月に施します。追肥は、花芽や果実の成長を促すためのもので、果樹の生長に応じて施します。お礼肥は、開花後や収穫後にやるもので、弱った果樹の回復のために施します。果樹の種類や土の状態、庭植えか鉢植えかによっても、施肥の仕方が異なります。ただし、肥料は多くやればいいというものではなく、野菜や花をつくっていた庭に果樹を植えた場合、植えつけ後5年間くらいはほとんど肥料は必要ありません。とくに幼木期に肥料が多いと、いつまでも生長が落ち着かず、実がなりはじめるのも遅くなってしまいます。幼木期は控えめに、実がなりはじめたら少しずつ量を多くしていきましょう。
肥料の種類
肥料の種類を大きく分けると、有機質肥料と、無機質肥料に分かれます。有機質肥料の多くは、植物や動物を分解したもので、油かす、魚かす、骨粉、鶏糞、牛糞などがあります。おもに基肥やお礼肥として使われ、土づくりにも利用されます。無機質肥料の多くは、化学的な過程を経てつくられた物質で、硫酸アンモニア、過リン酸石灰、硫酸カリウムなどが使われます。即効性があるので、おもに追肥として使用します。
肥料の成分と働き
果樹の生長に必要な成分のうち、とくに窒素、リン酸、カリ(カリウム)は、3大栄養素といわれています。窒素は、俗に「葉肥え」といわれるように、枝や葉の生育を促します。とくに水と窒素が共存するときに、窒素の働きは活発になります。リン酸は「実肥え」といわれるように、枝や葉の成長を抑制し、花芽や実のつきをよくします。カリウムは「茎肥え」といわれ、茎や葉の生長を促進させるものです。これらの3天栄養素のバランスが果樹の生長を左右します。
肥料のやり方
肥料をやるときは、根に直接肥料が触れないように注意しましょう。また、花ができるときに窒素肥料をやりすぎてしまうと、枝だけが伸びて花芽がつかなくなってしまうので気をつけます。鉢植えの場合は、水やりの回数が多いため肥料分が流出しやすいので、庭植えより多めに肥料をやりましょう。