ひと口に果実管理といっても、その種類によって方法はそれぞれ変わってきます。ウメやアンズなど、花の美しい種類は、花芽の少ない枝を前刀定し、花後にも剪定することになります。カキやリンゴ、ミカンのような大きな果実をつける果樹では、将来、形よく大きく発育しそうな幼栗を1か所に1個残すように、思い切って摘果することも必要です。摘果は花のあと、3~4週目から行います。その間に生理落果でいくつかの果実は自然に間引きされますが、果実の発育のためにそれを人為的に行うのが摘果の目的です。
一般に袋かけをする果実として、ナシ、モモ、リンゴ、ブドウなどが有名です。袋をかけることによって、虫食いや日やけなどの被害を抑えることができます。また、消毒の回数も減らすことができるので、残留農薬も減ります。袋かけしたものは、収穫前に果実の着色をよくするために袋を取り除くか破っておきます。
果実の温度が下がっている朝方に収穫するのが、いちばんおいしいとされます。種類によって収穫時期は違うのですが、食べごろになってから収穫するか、収穫後に追熟するかに分かれます。着色しないので熟期の判断がむずかしいキウイフルーツやセイヨウナシ、寒さを避けて早めに収穫したカンキッ類などは、収穫後に迫熟させます。その場合、リンゴやカキは、1~3kg入りのポリ袋に1果ごと入れて密封し、室温で1週間から10日、セイヨウナシは、20日くらい迫熟させます。