ナツメの育て方・栽培方法
クロウメモドキ科
管理にも手がかからず、紅色の実が美しいため、果樹としてだけでなく、観賞樹としての価値も高い樹木です。
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●高い枝を低く更新し、樹形を整 える。
●全国各地。
●あまり手がかからず、栽培は容易。
ナツメの果樹としての特徴
原産地はヨーロッパといわれていますが、中国でも古くから栽培されています。開花時期である6月に雨が少ないと結実がよく、夏に雨の少ない東北地方や本州の内陸部で多く栽培されています。自分の花粉で受粉できるため、よく結実します。春に伸びた新梢の基部の葉腋に3~4花咲き、そのうちの1~2個が結実します。
ナツメの栽培条件と品種選び
乾燥を好み、暑さにも寒さにも強い果樹で、日当たりと水はけのよい場所であれば、土質は選ばず、よく育ちます。古くから日本で庭木として植えられていたのは、実の小さなものでしたが、現在では、中国産の大果品種の苗木が出回り、果樹としては一般的に大果のものが多く栽培されます。
ナツメの栽培方法
苗木の出回る12~3月に植えつけます。自分の花粉で受粉するため、1本植えでも結実し、3年目には収穫できます。
水はけのよい土質の、日当たりのよい場所に植えつけます。
主枝を水平にして低く育てる
立木性のため、「主幹形」に仕立てるのが一般的です。もともとは高木性ですが、庭先栽培では、3本ほどの主枝を伸ばし、その主枝を水平近くに誘引することで枝を落ち着かせ、樹高を2m前後に保つとよいでしょう。
とくに大きな剪定の必要はなく、株元から出た枝や、混み合った枝を間引いたり、長く伸びすぎた枝を切り戻す程度の前刀定で、自然な樹形を楽しむとよいでしょう。ただし、あまり樹高を高くすると収穫しにくくなるので、高くなった枝は切り戻して、低い位置の枝に更新し、樹高を低く維持するようにします。
とくにやせた土でない限りは、施肥の必要はありません。
1枝に3~4果が目安
自分の花粉で受粉し、よく結実するため、芽かき・摘果をせずに数多く結実させると、翌年の実つきが悪くなります。6~7月に、日当たりがよくなるように多すぎる新梢を間引き、同時に、残した新梢1枝につき3~4果になるように摘果します。
成熟が進むと、果実の表面が緑色から暗い赤色、さらに茶褐色に変化します。このようになってやわらかみが出た実から順番に収穫します。