果樹の人工授粉
実がなるためには、受粉・受精が行われなければなりません。確実に実をならせるには人工授粉をします。
実がなるためには
果実が実ってそれを賞味することは、果樹栽培のなかで最も大きな楽しみです。しかし、果樹のなかには、1本の木では実がつかないものもあります。たとえば、雌雄異株の場合は、雄株と雌株の両方の木を植えないと受粉できません。ウメやモモには花粉のない品種もあり、自然状態では実がなりません。また、同二品種の花粉ではなく、他品種の花粉を必要とするものもあります。多くの果樹は、自分の花粉や同二品種の花粉では実がつきにくく、他品種の花粉でも特定の品種間では受粉しない場合もあります。ウンシュウミカンやイチジク、ブドウなどのように受精しなくても実がつくものもありますが、一般に受粉は風や昆虫によって花粉が運ばれて、雌しべの先に雄しべの花粉がついて行われます。昆虫を媒介とするものがいちばん手間がかかりにくく簡単ですが、そのためには昆虫が活動しやすいように、一年中花を絶やさないような環境づくりが大切です。
人工授粉
摘蕾
花がたくさん咲いて必要以上の実がなると、樹勢が消耗して栄養分が行き渡らない実ができてしまいます。そこでつぼみや花の段階でこれらを間引いて、果実がなりすぎるのを防ぐのが摘蕾です。摘蕾を行っておけば、実は大きくなり色や味もよくなります。摘蕾をしないと収穫前に小さい実は自然に落ちてしまったり、果実が多すぎて、隔年にしか実がつかなくなったりします。摘蕾を行う時期は、開花後、結実後、生理落下が終わる6月下旬の3回に分けて行います。摘みとる花やつぼみは、枝の基部や先についたもの、側蕾です。