園芸植物病害虫図鑑

ヨウトウムシ(ヨウトウガ)類

ヨトウガ、ハスモンヨトウ、シロイチモンジヨトウなど

旺盛な食欲で、野菜類に甚大な被害をもたらします。

ヨトウガ(幼虫)・写真1

ヨトウガ(幼虫)

ヨトウガ(卵)・写真2

ヨトウガ(卵)

ハスモンヨトウ(幼虫)・写真3

ハスモンヨトウ(幼虫)

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ヨトウムシ(ヨトウガ)類の特徴

夜に活動し、激しく葉を食害

家庭菜園などで、キャベツやハクサイなどが、葉脈だけを残してあっという間に食い荒らされてしまうことがあります。一般にヨトウムシとよばれているヨトウガ、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウなどの幼虫による被害です。ヨトウガは、通常、春~秋の間に年2回発生し、さなぎになって土の中で越冬します。多くの植物に被害をもたらしますが、とくに野菜類での被害が甚大です。成虫は日中は姿を隠し、夜になると葉裏に卵を塊状に産みつけます。肺化後の小さな幼虫は群れで葉裏の葉肉を食べ、その部分は白く透けたようになります。成長すると単独で生活するようになり、日中は土の中や葉裏に潜み、夜間に活動して葉を食害します。ハスモンヨトウの幼虫もヨトウガの幼虫と同じように薬を食害しますが、通常、日本の屋外では越冬できず、おもにビニールハウスでの被害が多く発生します。露地では8~10月に被害が目立ちます。シロイチモンジヨトウはネギに被害をあたえます。

ヨトウムシ(ヨトウガ)類の対策

幼虫は見つけしだい捕殺

食害の跡が目立つため、被害の出た葉は虫を落とさないように注意しながら摘み取って処分します。被害のあった葉以外も根気よく探し、幼虫を見つけしだい捕殺します。大きく育った幼虫は殺虫剤に対して耐性をもつため、薬剤の使用はできるだけ幼虫が小さなうちに行います。オルトラン液剤・水和剤、トアロー水和剤CTなどを登録のある作物に散布します。

ヨトウムシ(ヨトウガ)類の予防法

卵塊に注意

葉裏をよく探してまわり、卵塊を見つけたらその葉を摘み取るか、卵塊をつぶしておきます。

ヨトウムシ(ヨトウガ)類の被害の多い植物

●キャベツ●ハクサイ●ダイコン●エンドウ●カブ●ホウレンソウ●ネギ●レタス●ピーマン●ナス●トマト●キュウリ●ニンジン●シュンギク●サツマイモ●カーネーション●キンギョソウ●キンセンカ●ケイトウ●スイートピー●ストック●デージー●パンジー●キク●アイリス●プリムラ●ダリア●アスター●ホウセンカ●ユリ


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