スイカの育て方・栽培方法
スペースに合わせた品種を選びます。
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●連作を避け、有機肥料を十分に与える
●苗は保温して成長を促進させる
●高温、少雨、水はけのよい砂質地を好む
スイカの特性
アフリカの中南部が原産地で、現在出回っているのは米国で改良された品種を、日本でさらに改良したものです。生育旺盛で日照り続き、水不足といわれるような猛暑こそ、おいしい実ができる条件です。
スイカの品種
大玉種では「縞王マックス」「紅大」「瑞祥」「金輝」などが、よく作られています。皮が黒い「タヒチ」などもあります。細長いラグビーボール型、果肉の黄色い品種など、バリエーションも豊富です。狭い場所なら小玉スイカをおすすめします。「紅こだま」「こだま」をはじめ、何種類かあります。
スイカの栽培方法
高温乾燥を好み、土質は選びません。雨が続くと実つきが悪く、病害虫も多発します。スイカは細い根が深く張るので乾燥に強いのですが、そのために植えかえると傷みが大きくなります。種をじかまきしてホットキャップなどで保温するか、もっと暖かくなってから市販のポット苗を植えつけ、7~8月に収穫します。
ウリ科の中でも特にスイカは連作を嫌うので、4~5年は間をあけるようにします。市販の接ぎ木苗なら、台木がカボチャやユウガオなので連作も可能です。水はけのよい砂質の土を好み、粘質土では実がつかなくなるつるぼけや、炭疸病が多く発生しやすくなります。種まき、苗の植えつけ、いずれの場合も作業の2週間前に、直径30cm、深さ30cmの穴を掘り、堆肥と腐葉土を2~3kgと化成肥料200gを入れて土とまぜます。掘り返した土を埋め戻し、10cm高く盛り上げておきます。株間は120cm以上にします。できるだけ日当たりのよい場所を選びましょう。
4月上旬~中旬にじかまきをします。ポリマルチをしてから1カ所に種を3~5粒ずつまき、軽く覆土して水やりをします。さらに市販のホットキャップをかぶせるか、支柱とビニールでドーム型のビニールテントをつくって保温します。これはウリバエやタネバエの幼虫による食害を防ぐのにも役立ちます。
本葉4~5枚で茎が太く、節間の詰まった接ぎ木苗を求めます。ポットをはずし、ポリマルチをしてから浅植えになるように植えつけ、たっぷり水やりをします。種まきと同じ要領で、ホットキャップかビニールテントをかぶせ、乾かさないように2~3週間管理します。
本葉が3~4枚になると、ホットキャップの内部が蒸れてきます。すそをあけるか、頂上を破って換気をはかります。中が込んでくるので、1~2回、間引いて1カ所1株にします。苗も活着して芽が動き始めたら、換気をします。大きくなって葉が込み合ってきたら、少しずつ穴を大きくしていきます。
整枝法はいろいろありますが、親づるは5~6節で摘芯し、子づるを3~4本仕立てにして、余分な子づるは摘みとり、つるの伸長が平均になるようにします。子づるの15節ぐらいにつく雌花を結実させ、それより下についた孫づるや1番果は摘みとります。結実果より先についた孫づるは放任しますが、3番果がついた場合は、よほど栄養がよくなければ摘果します。
雄花と雌花が咲きますが、生育が十分になると花粉を持った雌花(雌雄両性花)がつくようになり、より結実しやすくなります。雨が続いたり、生育がかんばしくなかったりして、結実しにくいときは、早朝に雄花の花粉を雌花の柱頭にふれさせます。両性花も人工受粉をすれば、さらに確実によい結果が得られます。なお、人工受粉をした日をラベルに書いておくと、収穫の目安になります。
1番果が卵大になったら、株の周りの雑草や枯れ葉をとり除いて整理し、米ぬか、油かす、魚かすか乾燥鶏ふんを各2つかみ施します。軽く中耕、土寄せもします。硫安、尿素などの窒素分が多いと、つるや葉が元気よくなるものの、ちっとも実がならないという、つるぼけを引き起こします。
2番果が握りこぶし大になったら、畑一面に敷きわらをし、つるが絡み合わないように誘引します。
1つるに1采を基本として、1株に3~5個の実がついています。実が大きいのでぶつかったり、日当たりが悪くて色むらになったりしないよう、玉直しを行います。つるごと持ち上げて無理なく、つるが上になるように正座させます。収穫の1週間前には、ひっくり返すようにして、花落ち部分(底になっているところ)を日に当てるようにします。
スイカの収穫
受粉後、35~40日たったところで表面を軽くたたいてみます。濁った音がしたら、中身が詰まって熟した状態なので、切りとり収穫します。近くの巻きひげが枯れているのも目安になります。すぐに食べず、2~3日おいて迫熟させると、果肉がしまって甘みが増します。
スイカの病害虫
ウリ科野菜に共通する病害虫対策をします。特に若い苗のころに雨が続いたり気温が上がらないと、つるのつけ根が裂けて徐々に腐っていく、つる割れ病が発生しやすくなります。できるだけ早く株ごと抜きとり処分し、石灰をまいておきます。また、低温多湿状態は、葉や果皮に黒斑が出て、やがて腐る炭疸病や疫病も多くなります。ダイセンやダコニールをまいて予防します。葉が枯れるつる枯れ病やべと病もダコニールが有効。反対に乾燥が続くと、うどんこ病が発生するので、モレスタンを散布します。ウリハムシ、ハモグリハエにはマラソンやディプテレックスを散布します。生育不良のもとになるネコプセンチュウは、土壌消毒するしかありません。