初心者の土作り
土作りは家庭菜園での収穫の決め手になる大切な第一歩です。特に初心者の人は土質を知って、水はけ、水もち、通気性のよい土作りを心掛けましょう。
土作りの基本
土に前の野菜の痕跡を残さない
連作障害を避けるためには、前年につくった野菜の根や茎葉などを残さないようにしなければなりません。栄養になるだろうと、土にまぜ込むようなことは禁物です。その後、専用の薬剤を使って土壌消毒をしたり、夏なら太陽熱を利用した消毒、冬なら「天地返し」をします。太陽熱で消毒をする方法は、1㎥あたりバケツ2杯のわらや刈り草、石灰窒素2握りをばらまき、深く耕して水やり後にビニールでおおい、3~4週間そのままにします。天地返しは深さ30cmくらいの表土とその下30cmほどの土を入れかえる方法です。深く耕すことになるので、根の成長もよくなります。
野菜が嫌う酸性土を中和させ、石灰分を補充する
雨には土を硬くするだけでなく、カルシウムを流失させて土を酸性にしてしまうという影響があります。野菜は大体が中性から弱酸性くらいの土を好みますが、植物を育てていなかった場所では、自然の降雨によって土が強酸性になっています。酸性土は根が傷んだり、リン酸分を吸収しにくくなったりして野菜の成長が衰えます。そこで、畑として使う土にはあらかじめ苦土石灰や消石灰をまき、酸性土を中和させます。正確に作業を行う為には、市販の判定セット等を購入して土の酸性度を計測することから始めます。phが6.0以下のとき石灰の投入が必要です。酸性度はphであらわされますが、これを0.1アルカリ性に近づけるには、1㎥あたり苦土石灰で20~30g、消石灰なら12~18gが必要になります。それほど神経質にならなくとも、種まきや植えつけの前に、1㎥あたり2握り(うっすらと表土が白く見える程度)の苦土石灰をまいて耕すようにしていれば、まず酸性土で障害が起きることはありません。また、まきすぎてアルカリ性になると、今度はマグネシウムや鉄が吸収されにくくなるので注意が必要です。なお、苦土石灰をまいたすぐあとに植えると、多くの野菜は根を傷めてしまうので、植えつけ作業の最低2週間前に混ぜるようにします。
野菜好みの土を作る
土質を知り、水はけ、水もち、通気性のよい土を作る
粘質土は土がしまっていて根の伸びが遅く、成長はゆっくりですが、充実して肉質のよくしまった収穫ができます。砂質土は根が伸びやすく成長も速いですが、早く根が老化するので病害虫にかかったり、軟弱な実やイモができやすくなります。野菜が好む水はけ、通気性がよく、水もちもよい土をつくるには、粘質土と砂質土の特徴をよく知ったうえ割合を考え、堆肥や切りわらなどを混ぜたり、水やりや施肥をかげんしたりして調整する必要があります。
単粒構造(すき間が少ないので、根がよく伸びない)⇒耕うん(有機質肥料を入れてよく耕す)⇒団粒構造(野菜作りに理想的な割合になる)
酸性に強い
(pH5.0~5.5)
スイカ、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ
酸性にやや強い
(pH5.5~6.0)
トマト、ナス、ニンジン、力ボチャ、キュウリ、スイートコーン、ダイコン、カブ
酸性にやや弱い
(pH6.0~6.5)
ハクサイ、キャベツ、レタス、ニラ
酸性に弱い
(pH6.5~7.0)
インゲン、タマネギ、ネギ、ホウレンソウ、カリフラワー