果樹栽培・ガーデニングの基本

イチジクの育て方・栽培方法

クワ科

無数の小花が花托の内側について果実が肥大・成熟するため、花が咲かずに実がなるように見えます。そこから「無花果」の字があてられています。

イチジク・写真1イチジクの芽吹き・写真2イチジクの実・写真3

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栽培上のポイント
●水はけのよい土地であれば簡単に栽培ができ、庭先果樹としては最適。
栽培上の適地
●関東地方以南の太平洋側。鉢植えでも東北地方が北限。
栽培上の難易度
●初心者にも簡単に栽培できる。

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イチジクの果樹としての特徴

小アジア、アラビア南部が原産とされ、亜熱帯の植物です。葉が大きく、葉からの蒸散が激しいため、乾燥してしまうと水不足で生育が悪くなります。野生のイチジクは、イチジクコバチという実の先端の穴を出入りできるほどの小さなハチによって虫媒されますが、日本ではこの昆虫がいないため、受粉に関係なく結実する品種が栽培されています。そのため、ほかの果実のように受粉に気を使うことなく栽培でき、日当たりさえよければ、簡単に結実させることができます。果実には90%の水分が含まれ、ブドウ糖や果糖といった糖分が10%あります。良質のタンパク質分解酵素もあり、消化を助ける働きがあります。

イチジクの栽培条件と品種選び

冬の最低気温がマイナス9℃以上は必要です。これはミカンの栽培できる地域とほぼ重なっています。品種には、6月下旬~7月下旬に成熟する夏果専用種、8月下旬~10月下旬に成熟する秋果専用種、栽培の仕方で夏と秋どちらにも成熟させることができる夏秋兼用種があります。夏果は成熟が梅雨の時期と重なるために、果実が腐りやすくなります。家庭での栽培では、秋果種を中心に品種を選ぶのがよいでしょう。また、庭先栽培では、コンパクトに栽培するために、樹勢があまり強くない品種が育てやすいでしょう。

イチジクの栽培方法

植えつけ

12~3月に植えつけられますが、寒冷地では春の芽が動き出す直前、3月中旬~下旬がよいでしょう。イチジクはとても発根性が強く、接ぎ木だけでなく、挿し木もよく根を出し、市販される苗の多くは挿し木苗です。

植えつけ場所

排水性と保水性がともによい、肥沃な土地を好みます。降雨後に水たまりができるような場所は避けましょう。

仕立て方

自由な樹形を楽しむ

イチジクはほかの果樹に比べて樹勢が強く、どのような仕立て方をしても花芽がつかなくなることがほとんどなく、自由に樹形をつくることができます。なかでは、「一文字仕立て」と「ゴブレット仕立て(杯状仕立て)」が一般的です。一文字仕立ては庭があまり広くなく、フェンス沿いなどに横長に仕立てるのに適しています。ゴブレット仕立ては、果枝が杯状に開いて葉が茂る、見応えのある樹形になります。夏栄を収穫するのに向いた仕立て方です。

剪定

夏果専用種では、夏~秋に結果枝の先端に夏栄をつけ、その状態で冬を越して、翌年の夏に実が熟します。そのため、冬期に枝先をすべて剪定してしまうと、その夏熟す夏果が失われ、結実しません。しかし、何も剪定せずに放任したのでは、枝は伸び放題となり大きく広がってしまいます。そこで、冬には、20cmよりも長い結果枝の先端は切りつめ、残した枝先に結実させるようにします。秋果専用種は、春から伸びた新梢の節ごとに花芽がつくため、1~2月に、2~3芽を残して側枝の先端を切りつめます。

樹勢を抑えて結実を促す

秋果専用種の場合、春に結果枝が勢いよく生育すれば、大きな果実が実ります。しかし、あまり樹勢が強すぎると花芽ができず、結実しなくなります。また、枝が混み合って日当たりが悪くなっても花芽ができません。4月下旬~5月上旬、1~2回に分けて、夏になって葉が茂ったときを考慮して、葉と葉が重ならないように、新梢を間引きます。

施肥

植えつけのときと収穫後に、有機質肥料を株の周囲の土にすき込みます。

摘蕾・摘果

翌年の結実数を減らさないためには、その年になる実を適当な数に減らす必要があります。小さな実や形の悪い実、病虫害の被害が見られる実などを中心に、結果枝1本につき3~5果になるように摘果します。

収穫

オイリングで収穫を早める

果実の成熟を早めるためには、サラダオイルを実の先端に滴下する、オイリングという作業をします。これにより、何もしないときに比べて収穫が1週間ほど早くなります。実の先端が割れてきたものが熟した果実で、このころ収穫します。追熟ではおいしくならないので、木についたまま完熟させます。イチジクの果実が出す乳汁には、タンパク質分解酵素が含まれているため、指先にかゆみが出ることがあります。それを防ぐために、収穫するときはゴム手袋などをするとよいでしょう。

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