果樹栽培・ガーデニングの基本

ブルーベリーの育て方・栽培方法

ツツジ科

白い花とブルーの実、そして秋の紅葉が楽しめます。食用としても価値の高い果樹です。


ブルーベリー・写真1
ブルーベリーの花・写真2
ブルーベリーの実・写真3

※画像をクリックすると拡大します

栽培上のポイント

●土壌改良が必要。
栽培上の適地

●東北地方以北、中部地方高 冷地(ハイブッシュ系)。関東地方 以西(ラビットアイ系)。
栽培上の難易度

●土壌があえば比較的容易。

ブルーベリーの果樹としての特徴

現在栽培されるものは、「ハイブッシュブルーベリー」と「ラビットアイブルーベリー」の2系統に分類されます。北海道から鹿児島県まで、ほぼ円本各地で栽培できますが、寒地ではハイブッシュ系が、暖地ではラビットアイ系が栽培に適しています。1本でもある程度結実はしますが、自分の花粉で受粉する能力があまり高くないため(とくにラビットアイ系)、ほかの品種を混植するほうがよく果実がなります。

植えつけ前の石灰は厳禁

カリに傾くことを防ぐために、植えつけ前の土壌に石灰を施すことは避けなくてはいけません。逆に、pHが6・0以上の土壌では、土壌を酸性化する必要があります。春に伸びてくる新梢の先端部分の葉柄に、8~9日にかけて4~5芽の花芽をつけます。翌年1つの花芽から5~10の花がつぎつぎと開きます。そのほとんどが結実するため、枝咲きには果実が鈴なりに実ります。

ブルーベリーの栽培条件と品種選び

ラビットアイ系は耐寒性が劣るので、寒冷地での栽培には適しません。しかし、ハイブッシュ系に比べて根が強く、比較的土壌を選ばないという特徴があります。早生で実を多くける「ウッダード」、中生で大きな粒が数多くなる「ホームベル」、晩生の 「ティフブルー」などがあります。ハイブッシュ系は耐寒性が強く、マイナス20℃もの低温に耐えますが、土壌に対する適応の幅が狭く、適した土以外では生育がむずかしい系統です。早生で大
粒の「アーリーブルー」、中生で大粒の「ブルーレイ」などがあります。前述したように、1品種だけでは結実が悪いので、2品種以上を混植するようにします。

ブルーベリーの栽培方法

植えつけ前にはピートモスで土壌改良

植えつけは秋、春とも行えます。ポイントは、ピートモスを多めに使って土壌改良することです。ピートモスは、できるだけ目の粗いものを用意します。市販されているものの多くは目の細かなものを含むため、ふるいを使って細かなものをふるい落とし、残った粗いものを使うとよいでしょう。用土に混ぜる前に、水を加えてよく練ると土になじみやすくなります。

日当たりのよい場所を好みますが、西日が強くあたる場所は避けます。土壌は酸性で、水はけと通気性がよく、やや湿り気のある砂質のものが適します。また、風通しがよいことも植えつけ場所の必要条件です。

基本的に自然にまかせ、株立ちの「ブッシュ仕立て」にします。

剪定は4年目以降

植えつけ後2~3年目までは生長にまかせて剪定は行わず、ブッシュ状の茂みを作ります。4年目以降、主幹が5~6本になるように、不要な枝を株元から切ります。

3月と10月に配合肥料を施します。

3品種以上の混植が理想

虫媒にまかせてもよいのですが、人工授粉すれば、より確実に実がつきます。筆などで他品種の花に触れ、それを別の品種の花につけます。さらにまた、もとの花に触れることで、そちらの花も他品種の花粉で受粉することになります。花の時期の合った3品種以上を混植しておけば、人工授粉しなくとも、比較的結実しやすくなります。

2~3年目から実がなりはじめますが、そのころの幼木の枝先に多数結実させると、枝が伸びずに枯れてしまい、新梢の発生も鈍くなります。3年目までは、発芽前に花芽をすべて取り去り、実をつけないようにします。

収穫は2~3回に分けて行う

1つの花芽についた5~7個の果実(果そう)は、いっぺんに熟さずに数週間ほどかけて順次熟していくので、2~3回に分けて収穫します。収穫は朝行います。果実は熟すにしたがって色が変化します。収穫適期のものは濃い藍色になり、手で触るとポロリと取れます。完熟したものから摘み取りましょう。

野鳥の食害と夏場の水不足に注意する

熟した果実は野鳥に食害されることが多いので、ネットを張るなどして防ぎましょう。庭植えの場合、植えつけ時期と夏の高温乾燥期以外、基本的に水やりの必要はありませんが、根が細く、浅くしか張らないため乾燥に弱いので、夏場はこまめに水やりをしましょう。

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