果樹栽培・ガーデニングの基本

クルミの育て方・栽培方法

クルミ科

良質なタンバク質や脂肪、糖質、ビタミンB1、ビタミンCなどを多く含む高栄養の果実です。


クルミ・写真1
クルミの木・写真2
クルミの実・写真3

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栽培上のポイント

●庭植えで放任すると高木とな るので、芯抜きが必要。
栽培上の適地

●東北地方以南の、霜害、凍害 がなく、夏に冷涼で雨の少ない地域。
栽培上の難易度

●適地では容易。

クルミの果樹としての特徴

山の木の実という印象が強く、果樹として庭植えにされることは少ない樹木です。しかし、果実は多くの栄養分を含み、家庭で栽培する価値も低くありません。気温に応じて開花しますが、雄花と雌花の開く温度が違う品種も多く、その場合は1本の株では受精できず、落果してしまいます。それを防ぐには、授粉樹を混植します。

クルミの栽培条件と品種選び

夏に冷涼で、それ以外の季節が温和な気候を好みます。厳寒期はマイナス25℃程度までは耐寒性がありますが、発芽期~開花期の低温には弱く、この時期に0℃以下になる場所は適しません。また、日当たりのよくない土地では、生育不良などを起こして冬に寒害を受けやすくなります。家庭栽培では、「ヒメグルミ」「オニグルミ」「シナノグルミ」などの系統が向いています。ヒメグルミやオニグルミは雌花より先に雄花が咲くため、それらを栽培するときには、授粉樹として雌花が先に咲く「豊園」「南安」といった品種を混植するとよいでしょう。

クルミの栽培方法

12~3月に接ぎ口がしっかりした苗を購入して植えつけます。

比較的土壌の質は選びませんが、深根性のため通気性と排水がよく、土層が深い場所が適しています。低温には比較的強いのですが、冬に乾いた寒風を受けると枝枯れを起こしやすいので、北、あるいは北西の寒風があたらず、晩霜の降りない、日当たりのよい場所に植えつけます。西日のあたる場所は避けたほうがよいでしょう。

主枝が2~3本の変則主幹形」に仕立てます。樹高が高くなったら芯抜きをして低樹高を維持します。

収穫は5~6年目を目安に行う

前年に伸びてよく充実した枝の項芽、そしてその下2~3芽が、雌花芽に分化し、春に萌芽して伸び、その新梢の先端に1~4個の花芽がつきます。雄花はその下の葉腋につきます。そのため冬に枝の先端部を切りつめるとその年には実がなりません。収穫は植えつけ後5~6年を目安にして、それまでは枝先の3分の1ほどを切りつめ、それ以降は主枝と競合する強い枝を整理したり、交差する枝を除去するなどの、大まかな剪定を中心に行います。

収穫後に、お礼把として混合肥料を与え、12月にも基肥を与えます。

雌花が開く時期に、揃って雄花も開く品種を混植した場合は虫媒にまかせてもよいでしょう。開花期が異なる場合は、ほかの品種を混植します。

成熟期は9月下旬~10月上旬です。シナノグルミなどは、青い外果皮が裂けて開いてきたら、枝を揺すったり竹ざおなどで軽くたたいて落果させて収穫します。オニグルミは外果皮が裂けずに黄緑色に変色するだけで落果するので注意します。収穫したら外果皮を除去し、水で洗って乾燥させて保存します。

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